FT-IR法において良いATRスペクトルを得るためのプリズム材質の選考基準は、以下に概説されています。
よいスペクトルについては、最適の浸透の深さ(dp)を達成する条件を選択することが必要です。
■資料の〔有用な波数(cm-1)〕/〔波長(l)域〕:
有用な透過波長域が広いほど、有用な送信波長帯が広いほど、多目的用途用として良い資料。
浸透の深さは、〔波数の減少〕/〔波長の増加〕で増加。
■資料の屈折率(h1):
これは、全反射現象が発生する資料の臨界角(qc)を決定する。資料の屈折率が高いほど、臨界角は低い。
高い屈折率(h2)サンプルで動作する場合、スペクトルの歪みを避ける臨界角をはるかに超過する入射角が
望ましい。
■入射角(qi):
入射角を増やすことは、浸透の深さおよび反射の数を減少させるでしょう。これにより、有効な光路長が
減少し、 そのためスペクトルの吸収強度が小さくなる。
■有効なサンプル接触
よいスペクトルを得るには、ATRプリズムのサンプル接触域の全域にわたって、よいサンプル接触が出来る
ことが重要です。
固体試料で良いスペクトルを得るためには、プリズムやサンプルに損害を与えない程度の十分な圧力が加え
られるATR材料を 選ぶことが重要です。資料の硬さも重要です。
■資料の反応性:
液体試料を扱う場合、水への溶解性、酸やベース、酸化、還元剤、および合成物へのATR資料の反応性に
十分に注意しなければなりません。
パーツ番号 | 材質 | L1 (mm) |
L2 (nm) |
H (mm) |
---|---|---|---|---|
ATRZ-52.5*20*2 | ZnSe | 52.5 | 20 | 2 |
※ATR測定法(Attenuated Total Reflection:全反射測定法)